たんぱく質が豊富!
うま味が強いたまりしょうゆ
日本の食文化を代表する調味料“しょうゆ”。そのしょうゆにも、こいくち・うすくち・さいしこみ・しろ・たまりの5種類があります。
一般的なこいくちとたまりは、その原料比率に大きな違いがあります。こいくちが大豆:50%と小麦:50%であるのに対し、たまりは大豆を主原料としています。両者ともこれに、麹と塩・水を加え醸成します。ちなみに日本のしょうゆ生産量の8割以上はこいくちしょうゆであり、たまりの国内生産量は全体の2%弱くらいとなっております。
たまりは愛知県をはじめ、岐阜県、三重県の東海地方の特産品で、その味は濃厚でうま味に富み、この地区では昔から広く使われています。当地区がなぜ、たまりの生産地となったのかに対しては諸説ありますが、おおかたは徳川家康の家臣達が味噌を作る工程で、味噌の上に溜まった液を重宝し、広めたものと言われています。
戦国時代、撹拌のために人手を必要とするしょうゆ製造より、たまりの方が人手が少なくてすみ、その分戦力として利用できるという事情があったからのようです。いわば、戦略的な要因からこの地区の特産品となったのでしょう。
しょうゆのうま味の元となる大豆を多く使用したたまりしょうゆはうま味はもちろん、良質なたんぱく質も豊富に含み、塩分も控えめです。